Message In A Bottle

音楽や映画のレビュー

Guns n' Roses/Appetite for Destruction

Appetite for Destruction

Appetite for Destruction

 

 中学から高校まで邦楽も洋楽もポップもロックも自分にとっては同じものだった。ボウイもレベッカもマドンナもボンジョビもペットショップボーイズも3分間の暇つぶし、それ以上の意味はなかった。その時が楽しければそれでよかったのだ。

当時、大人たちがロックについて真面目に語っているその意味がわからなかったし、ロックなんてポップミュージックの一つのジャンルだとしか思っていなかった。このアルバムを買うことになったのも、実はその時ほしかったユーロビートのアルバムが売っていなかったので、頭の中に残っていたSweet Child O' Mineのリフを思い出し取り合えず試しに聴いてみるかという軽い気持ちだった。

Welcome To The Jungleのイントロからやられた。震えた。ああ、こういうことだったのか、これがロックというものなのかとえらく感動したのを覚えている。バイト先の音楽に詳しい先輩には「エアロのパクりじゃん」などと言われたし今となってはそう言う気持ちもわからなくはないんだけど、ちょうど高校を卒業して浪人時代気が狂ったように聞き続けていたのを覚えている。

今となっては聴き飽きてしまったし、音楽的にそれほどすぐれているわけではないと思うのだけれど当事商業化されたロックバンドばかりの中で本当に悪そうな唯一のバンドだったしかっこよかったのだ。アクセルやスラッシュは僕のアイドルだったし、インタビューの乗っている雑誌は必ず買った。

ガンズはその後メンバーの脱退やら新しいメンバーになって活動は続けていくのだけど正直このファーストアルバムを超えることはできなかったように思う。スティーブンアドラーが抜けイジーが抜けダルい独特の悪そうなリズムがなくなりカッチリしたメタルのサウンドに近づいていって好みのサウンドではなくなってしまった。Use Your Illusionも悪いアルバムではないとは思うのだけど。

音楽のクオリティというよりも、思い出の青春の一枚。Sweet Child O' Mineのスラッシュのソロは今でも名演だと思うけどね。